ねんきん定期便の見方|ハガキで65歳から毎月いくらかを出す手順

ねんきん定期便の見方|将来の受給額を読み取るのイメージ年金と老後

結論(4行)

  • 65歳から毎月いくらかは、50歳以上なら「老齢年金の見込額」(年額)を12で割る。年額180万円なら月15万円
  • 50歳未満のハガキの金額は「今までの積み上げ」で、65歳の額ではない。65歳の見込みは二次元コードの公的年金シミュレーターで出す
  • ハガキの金額は税金・保険料が引かれる前の額。振込は偶数月に2か月分ずつ
  • 50歳以上の見込額も、60歳まで今の加入条件が続く前提の数字(60歳未満の方の場合)

ハガキを手にして知りたいのは、たいてい「65歳から毎月いくらもらえるのか」です。 その答えが載っている欄は、年齢によって違います。 50歳以上なら1つの欄を12で割れば目安が出ます。 50歳未満のハガキには、そもそも65歳からの金額が載っていません。

65歳から毎月いくらかは、この欄を12で割る

加入中の人のハガキは50歳未満用と50歳以上用に分かれます(年金を受け取っている人には別に受給者用があります)。どちらが届いたかで、見る欄と計算が変わります。

届いたハガキ見る欄そこに載っている金額65歳からの月額の出し方
50歳以上(60歳未満)「老齢年金の見込額」60歳まで今の条件で加入し続けたと仮定した、65歳からの見込額(年額)年額÷12
50歳以上(60歳以上65歳未満)同上定期便を作った時点の加入実績に応じた、65歳からの見込額(年額)年額÷12
50歳未満「これまでの加入実績に応じた年金額」今日までに納めた分だけで計算した年金額(年額)ハガキだけでは出せない。二次元コードから公的年金シミュレーターで試算

出典:日本年金機構「令和8年度『ねんきん定期便』(ハガキ)の見方」(50歳以上の方・50歳未満の方)

50歳以上のハガキでは、同じ見込額の内訳が「3.老齢年金の種類と見込額(年額)」に 「(1)基礎年金」「(2)厚生年金」に分けて載っています。会社員の期間がある人は、 この2つの合計が65歳からの年額です。老齢基礎年金の見込額には、付加年金の金額も含まれています。

生年月日によっては、65歳より前の金額も載ります

厚生年金の加入期間が12か月以上あり、受給資格期間が120か月以上ある人は、生年月日によって 60歳から64歳までの「特別支給の老齢厚生年金」を受け取れる場合があります。 65歳からの月額を出すときは、65歳からの金額を12で割ってください。

50歳を境に、書いてある金額の意味が変わります

ここが、いちばん誤解されやすいところです。 ハガキの真ん中に出ている金額の意味が、50歳未満用と50歳以上用でまったく違います。

同じ位置に、違うものが載っています

  • 50歳未満の方 … 「これまでの加入実績に応じた年金額」

→ 今日までに納めた分だけで計算した金額。将来もらえる額ではありません

  • 50歳以上の方 … 「老齢年金の見込額」

→ 今の働き方が続いた前提で、65歳から受け取れる見込みの金額

つまり、40代の人が見ている金額は、将来の予想額ではなく「今までの積み上げ」です。 働き続ければ、ここから増えていきます。この違いを知らないと、 「45歳で年60万円しかない。老後が破綻する」と誤解することになります。

みぞれ
みぞれ

えっ、じゃあ40代のうちは、将来いくらもらえるか分からないの?

しぐれ
しぐれ

ハガキだけでは分かりません。ただ、二次元コードから「公的年金シミュレーター」に飛べば、 その場で将来の見込額を試算できます。 50歳になるのを待つ必要はありません。

50歳以上のハガキの見込額も、年齢でさらに前提が分かれます。

50歳以上の方の見込額の前提

  • 60歳未満の方 … 今の年金制度に 60歳まで続けて加入したと仮定した、65歳からの見込額
  • 60歳以上65歳未満の方 … 定期便を作った時点の加入実績に応じた、65歳からの見込額
  • 65歳以上の方 … 65歳時点の加入実績にもとづいて計算した金額

60歳未満の方の見込額は「60歳まで同じ条件」という前提です。60歳より前に会社を辞める、 国民年金に切り替えるといった予定があれば、その分は見込額より少なくなります。 反対に、60歳を過ぎて厚生年金に加入して働く分は、この見込額には入っていません。

なお、受給資格期間(原則10年)を満たしていない方は、金額の代わりにアスタリスク(*) が表示されます。空欄ではないので、見落とさないでください。

50歳未満のハガキの「これまでの加入実績に応じた年金額」のうち老齢厚生年金の部分は、 従前額保障や経過的加算を反映していないと見方ガイドに書かれています。50歳以上の見込額は、これらを反映しています。

年額を12で割る。振込は2か月に1回

ハガキの金額は、どれも年額です。月額の目安は、年額を12で割って出します。

計算の例(年額180万円の場合)

  • 月額の目安:180万円 ÷ 12 = 15万円
  • 1回の振込(2か月分):15万円 × 2 = 30万円(税金・保険料が引かれる前)

年金は毎月ではなく、原則として年6回、偶数月の15日に支払われます。 1回の支払いには、前月までの2か月分が入ります。たとえば4月に支払われるのは2月分と3月分です。 15日が土日・祝日のときは、その直前の平日になります。

通帳に入る金額で考えるなら、年額を6で割った額が1回分の目安です(天引き前)。

ハガキの金額は、手取りではありません

年金を受け取り始めると、振込の前に次のものが差し引かれます。 ハガキの見込額は、この差し引く前の金額です。

年金から差し引かれるもの(該当する人のみ)

  • 介護保険料
  • 後期高齢者医療保険料または国民健康保険料(税)
  • 所得税および復興特別所得税
  • 個人住民税および森林環境税

受け取りが始まると届く「年金振込通知書」では、1回分の「年金支払額」(控除前)から これらを引いた「控除後振込額」が、実際に振り込まれる金額として載ります。 差し引かれる保険料や税金の額は、住んでいる市区町村や収入によって変わるため、 ハガキの数字から手取りを一律に出すことはできません。

見込額は「今年度の給付水準」で計算した数字です

定期便の年金額は、定期便を作った日が属する年度の給付水準で計算されています。 給付水準は年度ごとに改定されるため、65歳になったときの金額は、ハガキの数字と同じになるとは限りません。

ハガキに載っている項目の一覧

ハガキの見方ガイドに載っている項目を、50歳未満用と50歳以上用に分けて並べます。 項目名は見方ガイドの表記です。

項目50歳未満用50歳以上用何が分かるか
照会番号○○「ねんきん定期便・ねんきんネット専用番号」へ問い合わせるときに使う番号
これまでの加入実績に応じた年金額(今年・昨年)○―今日までの加入実績で計算した年額と、昨年の定期便の額
老齢年金の見込額―○65歳から受け取れる見込額(年額)
老齢年金の見込額(70歳・75歳まで遅らせた場合)―○受け取りを遅らせたときの見込額
国民年金(第1号・第3号)納付状況○○直近13か月の月ごとの納付状況(記号で表示)
加入区分・標準報酬月額・標準賞与額・保険料納付額○○厚生年金などの月ごとの記録
1.これまでの保険料納付額(累計額)○○自分が納めた保険料の合計
2.これまでの年金加入期間○○加入した月数の合計(受給資格期間の確認に使う)
3.これまでの加入実績に応じた年金額(年額)○―老齢基礎年金・老齢厚生年金の内訳
3.老齢年金の種類と見込額(年額)―○基礎年金・厚生年金の見込額の内訳
公的年金シミュレーター二次元コード○○読み取ると見込額の簡易試算ができる
お客様のアクセスキー○○ねんきんネットのユーザIDを取るときに使う17桁の番号
音声コード○○加入記録を音声で聞くためのコード
お客様へのお知らせ○○その人の状況に応じた個別のお知らせ

出典:日本年金機構「令和8年度『ねんきん定期便』(ハガキ)の見方」(50歳以上の方・50歳未満の方)、 「大切なお知らせ、『ねんきん定期便』をお届けしています」(直近13か月の月別状況)

「2.これまでの年金加入期間」の月数が120か月に届いているかどうかが、 老齢年金を受け取れるかどうかの目安になります(原則として120か月以上の受給資格期間が必要)。

「70歳・75歳まで遅らせた場合」も載っています

50歳以上のハガキには、受け取りを70歳・75歳まで遅らせた場合の見込額も印刷されています。 繰下げ受給を検討するとき、自分の数字で比べられるということです。

ここに載っている金額は、あくまで「遅らせたらいくらになるか」だけです。 受け取らない期間が何年あるかという反対側の事情は、自分で考える必要があります。 判断の材料は年金は何歳から?繰上げ・繰下げの仕組みと注意点に書いています。

ハガキか封書か

届く形式

  • 35歳・45歳・59歳の方 → 封書(これまでの加入記録全体が分かる)
  • それ以外の年齢の方 → ハガキ
  • 年金を受け取っていて、直近1年間に厚生年金などの加入期間がある方 → 年金受給者用のハガキ

35歳・45歳・59歳は「節目年齢」と呼ばれ、この年に限って、より詳しい情報が封書で届きます。 定期便は毎年、誕生月に届きます(1日生まれの人は誕生月の前月)。

保険料納付状況の記号

封書やハガキの月別の納付状況欄には、記号が使われています。代表的なものは次のとおりです。

表示意味
納付済国民年金保険料を納めている月(免除・猶予のあとに追納した月も含む)
未納納めていない月。または定期便を作った時点で納付が確認できない月
確認中定期便を作った時点で納付状況が未確定の月(最終年度の最終月だけ)
3号国民年金の第3号被保険者として登録されている月
全額免除保険料の納付が全額免除されている月
半額免除/半額未納半額免除のうち、残りを納めた月/納めていない月(未納)
3/4免除、1/4免除 など一部免除のうち、残りを納めた月
学特学生納付特例制度の適用を受けている月
猶予納付猶予制度の適用を受けている月
産前産後産前産後期間として保険料が免除されている月
付加付加保険料を納めている月
未加入20歳以上60歳未満で、どの年金制度にも加入していなかった月

出典:日本年金機構「令和8年度『ねんきん定期便』(ハガキ)の見方(50歳未満の方)」

「未納」と「免除」は別物です

免除や猶予を受けた月は、未納ではありません。 年金を受け取る資格の期間には入ります (年金額への反映は制度によって違います)。逆に「未納」の月は、資格の期間にも入りません。

自分では免除の手続きをしたつもりでも「未納」と出ていることがあります。 仕組みと影響は国民年金保険料の免除・納付猶予の申請に書いています。

心当たりのない未納・未加入があれば、放置しないでください。 国民年金保険料は 納付期限から2年で時効になり、あとから納められなくなります。免除や猶予を受けた期間の 追納は、10年以内です。記録の誤りであれば、年金事務所で訂正できます。

なお、納付期限内に納めた場合でも、定期便に反映されるまで最大3週間ほどかかることがあります。 直近の月が「未納」「確認中」になっていても、それだけで慌てる必要はありません。

会社員の欄は「標準報酬月額」で見ます

厚生年金に加入していた期間は、月ごとに標準報酬月額と標準賞与額が並んでいます。 実際の給与そのままではなく、区切りのよい幅に当てはめた金額です。この金額が、 納める保険料と将来の年金額の計算のもとになります。

見るときに知っておくこと

  • 標準報酬月額の上限は65万円。これを超える給与でも、年金の計算上は65万円で頭打ち
  • 標準賞与額の上限は1回150万円。賞与が上限を超えても、記録は150万円
  • 保険料納付額に出ているのは自分が負担した分だけ。会社が同額を別に負担している
  • 育児休業・産前産後休業で保険料が免除された月は、納付額が「0」と表示される(公務員共済の期間は「納付したとみなされた額」が表示される)
  • 短時間労働者で保険料調整制度により負担が軽くなっている人は、保険料納付額に軽くなる前の額が載る(令和8年10月以降送付分のガイドの注記)

育休中の月が「0」になっていても、その期間は保険料を納めた期間として扱われます。 表示が0だから年金が減る、という読み方はしないでください。

公的年金シミュレーターとねんきんネットの違い

ハガキの数字より先を知りたいときの入口は2つあります。

公的年金シミュレーター(厚生労働省)ねんきんネット(日本年金機構)
入り方ハガキの二次元コードを読み取るユーザIDを取って登録する(ハガキのアクセスキーを使う)
登録いらない必要
できること見込額の簡易試算見込額の試算(かんたん試算/詳細な条件で試算)、加入記録の確認、電子版ねんきん定期便
向いている場面「65歳から月いくら」の目安を手早く出したい(50歳未満の人も。働き方などは自分で入力)記録のもれ・誤りを探す、条件を細かく変えて比べる

二次元コードには、そのハガキに載っている年金情報の一部が入っています。 読み取ると公的年金シミュレーター( https://nenkin-shisan.mhlw.go.jp )が開き、 必要な項目の一部が自動で入り、今後の働き方などを入力して試算します。 コードは「最近の月別状況です」の表の下(日本年金機構の見方ガイドの g)にあります。

シミュレーターで試せること

  • 何歳まで働くかを変えて、見込額がどう動くか
  • 受け取り開始を遅らせた場合に、いくら増えるか
  • 収入が変わった場合の影響

ねんきんネットの「かんたん試算」は、今と同じ条件で60歳まで加入すると仮定した試算です。 「詳細な条件で試算」では、今後の加入制度、受け取り開始の年齢、国民年金保険料の納付や追納の条件を自分で決められます。 試算の対象は、国民年金・厚生年金保険・船員保険に加入中か加入していた75歳未満の方です。

届いたら、5分でここだけ見る

毎年やること

  1. 氏名・生年月日が合っているか(結婚や転職で記録が分かれることがある)
  2. 直近1年の月別の欄に、空白や「未納」がないか
  3. 50歳未満なら「これまでの加入実績に応じた年金額」が去年より増えているか
  4. 50歳以上なら「見込額」を12で割り、月額で足りるかを考える

3で増えていない場合、その年は保険料が納められていない可能性があります(過去の記録を訂正した場合や、年金の給付水準の変動で下がることもあると案内されています)。 定期便は、記録の誤りに気づける年に一度の機会です。 年金を請求するときになってから 20年前の記録を直すのは、はるかに大変になります。

まとめ

  • 65歳から毎月いくらかは、50歳以上なら「老齢年金の見込額」÷12
  • 50歳未満のハガキの金額は今までの積み上げ。 65歳の見込みは二次元コードのシミュレーターで
  • ハガキの金額は年額・天引き前。振込は偶数月に2か月分ずつ
  • 50歳以上の見込額は、60歳まで今の働き方が続く前提の数字
  • 「未納」と「免除・猶予」は別物。未納は受給資格の期間にも入らない
  • 標準報酬月額は上限65万円、標準賞与額は1回150万円で頭打ち

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よくある質問

ねんきん定期便のハガキで、65歳から毎月いくらもらえるかはどこを見ればいいですか?

50歳以上の方は「老齢年金の見込額」(年額)を12で割ると、65歳からの月額の目安になります。50歳未満の方のハガキに載っているのは「これまでの加入実績に応じた年金額」で、今日までに納めた分だけの金額です。65歳からの見込みは、ハガキの二次元コードから公的年金シミュレーターで試算します。

ハガキの金額が、そのまま毎月振り込まれますか?

いいえ。ハガキの金額は年額で、税金や保険料が引かれる前の額です。年金は偶数月の15日に、前月までの2か月分がまとめて振り込まれ、介護保険料や所得税などは振り込みの前に差し引かれます。

ねんきん定期便はいつ届きますか?

誕生月に届きます(1日生まれの人は誕生月の前月)。年に1回、日本年金機構から送付されます。

ハガキと封書、どちらが届くかはどう決まりますか?

35歳・45歳・59歳の方には、これまでの加入記録全体が確認できる封書が届きます。それ以外の年齢の方には、ハガキが届きます。

年金見込額は将来もらえる金額として確定していますか?

確定額ではありません。50歳以上のハガキに載る見込額は、60歳未満の方の場合、現在の加入条件が60歳まで続いたと仮定して計算したものです。今後の働き方や加入状況が変われば、実際の受給額は変わります。

40代ですが、金額が少なすぎる気がします。

50歳未満の方に届くハガキに載っているのは「これまでの加入実績に応じた年金額」で、今日までに納めた分だけで計算した金額です。将来受け取る見込額ではありません。働き続ければここから増えます。将来の見込みを知りたい場合は、ハガキの二次元コードから公的年金シミュレーターで試算できます。

もっと詳しく試算したい場合はどうすればいいですか?

ねんきん定期便に記載された二次元コードから「公的年金シミュレーター」にアクセスするか、日本年金機構の「ねんきんネット」に登録すると、条件を変えた試算ができます。