ワンストップ特例が使えない人・無効になるケース

ワンストップ特例が使えない人・無効になるケースのイメージ税金と控除

結論(3行)

  • 確定申告をすると、理由を問わず、その年のワンストップ特例はすべて無効になる
  • 6団体以上に寄附すると、超過分だけでなく全部が無効になる
  • 無効になった場合は、確定申告でふるさと納税分もまとめて申告すればよい

ワンストップ特例の申請手順と期限で解説したとおり、 ワンストップ特例には条件があります。この記事では、申請したのに無効になってしまうケースを まとめます。どのケースも、総務省の資料にはっきり書かれています。

ケース1:理由を問わず確定申告をした

申告の用紙を書き終えてほっとするみぞれの後ろで、机の端に置き去りになった封筒の束にしぐれが翼をのせている

「ふるさと納税と無関係の確定申告」でも無効になります

総務省の資料(正式名称は「申告特例」=一般に「ワンストップ特例」と呼ばれる制度です)には、 こう明記されています。

申告特例の求めを行った者が、申告特例対象年の翌年の4月1日の属する年度分の市町村民税の

所得割について申告書の提出(当該申告書の提出がされたものとみなされる確定申告書の提出を

含む。以下(8)から(12)までにおいて同じ。)をしたときは、当該申告書の記載内容及び提出時期に

かかわらず、当該申告特例の求めを行った者が申告特例対象年に支出した特例控除対象寄附金に

係る申告特例の求め及び申告特例通知書の送付については全てなかったものとみなされ、当該

通知書の送付に基づく控除は適用されなくなるものであること。

「医療費控除のためだけに確定申告した」「副業の所得を申告しただけ」であっても同じです。 理由を問わず、確定申告書を提出した時点で、その年のワンストップ特例はすべて無効になります。

こうなりがちなケースを挙げます。

ワンストップ特例のつもりが無効になりやすい人

  • 医療費控除を受けるために確定申告をした
  • 住宅ローン控除の1年目で確定申告をした(2年目以降は年末調整でできます)
  • 副業の所得が20万円を超えて確定申告が必要になった
  • 年の途中で退職し、年末調整を受けられずに確定申告することになった

これらに当てはまる場合は、ワンストップ特例の申請書を出していても意味がありません。 確定申告書の中で、ふるさと納税の寄附金控除もあわせて申告してください。 医療費控除などと 別々に申告する必要はありません。1枚の確定申告書にまとめて書けます。

ケース2:6団体以上に寄附した

超過した分だけでなく、全部が無効になります

5団体を超えて寄附した場合、6団体目・7団体目だけが無効になるのではありません。総務省の資料には、 こう明記されています。

申告特例の求めを行った者が申告特例対象年に支出した特例控除対象寄附金について、申告特例

通知書を送付した都道府県知事等の数が5を超えた場合は、申告特例の求め及び申告特例通知書

の送付は、5を超えた部分に限らず全てなかったものとみなされ、当該通知書の送付に基づく

控除は適用されなくなるものであること。

その年に行ったワンストップ特例の申請が、すべて無効になります。 1団体目・2団体目に 出した申請書も含めて無効です。

寄附先が6団体以上になりそうな場合は、最初から確定申告をする前提で計画してください。 途中まではワンストップ特例で進めて、あとから6団体目を追加する、というのは危険です。

「住民税の申告」も同じ扱いです

見落とされやすいのですが、無効になるのは確定申告だけではありません。 総務省のチラシには、適用されない例として「医療費控除の申告などのため、確定申告をした、 又は住民税の申告をした」と並べて書かれています。

市区町村への住民税の申告でも無効になります

確定申告は不要でも、住民税の申告だけを市区町村にする場合があります。 たとえば、副業の所得が20万円以下のケースです。確定申告はしなくても、住民税の申告はします。この申告をすると、その年のワンストップ特例は無効になります。

国税庁は、医療費控除などのために個人住民税の申告をする人も、ふるさと納税の控除を受けるには、ふるさと納税の金額を含めて確定申告をする必要があるとしています(No.1155)。住民税の申告書だけで申告すると、所得税の分の控除は受けられません。 所得税がもともと0円で、住民税からだけ控除を受ける人は、住民税に関する申告書でふるさと納税を申告します(総務省)。

ケース3:引っ越したのに変更届出をしなかった

申請手順の記事でも触れました。申請後、寄附をした翌年の1月1日までに住所などが 変わった場合は、寄附をした翌年の1月10日までに変更届出書を提出する必要があります(地方税法附則第7条。期限が土日祝日に当たると翌日に延び、2026年の寄附なら2027年1月12日(火)まで)。 これを忘れて、1月1日の住所地と申請書の住所が違ったままになると、そのワンストップ特例は無効になります。

無効になったら、確定申告で取り戻せる

無効になった場合にすべきこと

  • 確定申告書に、ふるさと納税の寄附金控除を記載する
  • 寄附先から届いた寄附金受領証明書(またはふるさと納税サイトの運営会社が出す年間の「寄附金控除に関する証明書」)を用意する
  • ワンストップ特例の申請書を出していたかどうかは関係なく、確定申告書への記載だけで控除される

ワンストップ特例が無効になっても、控除自体を受けられなくなるわけではありません。 確定申告できちんと申告し直せば、同じように控除されます。あわてず、確定申告の準備をしてください。

みぞれ
みぞれ

確定申告の期限を過ぎてから気づいたら、もう手遅れ?

しぐれ
しぐれ

あきらめるのはまだ早いです。 どの手続きに当たるかは人によって違います。 税務署に事情を話して聞いてください。

確定申告をしていなかった人が還付を受けるための申告は、その年の翌年1月1日から5年間できます。 すでに申告した人でも、更正の請求という手続きで直せる場合があります。

気づくのが遅れやすいのは、この順番のとき

起きやすい流れ

  1. 秋にふるさと納税をして、ワンストップ特例の申請書を出した
  2. 年が明けてから、医療費が多かったと気づいて医療費控除の確定申告をした
  3. ふるさと納税の分を書き忘れたまま提出した

この流れだと、医療費控除は受けられるのに、ふるさと納税の控除だけが消えます。 確定申告をすると決めた時点で、その年に寄附した全部を確定申告書に書くと覚えておいてください。

寄附先から届いた受領証明書は、年内の寄附が終わってからまとめて封筒に入れておくと、 この取りこぼしが起きにくくなります。

まとめ

  • 確定申告をすると、理由を問わずその年のワンストップ特例はすべて無効
  • 6団体以上への寄附も、超過分だけでなく全部が無効になる
  • 引っ越し等で変更届出を忘れた場合も無効になる
  • 住民税の申告をした場合も同じく無効になる
  • 無効になっても、確定申告でふるさと納税分をあわせて申告すれば控除は受けられる

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よくある質問

医療費控除のために確定申告をします。ふるさと納税のワンストップ特例は別で使えますか?

使えません。医療費控除など、ふるさと納税と無関係の理由で確定申告をした場合でも、その年に提出したワンストップ特例の申請はすべて無効になります。確定申告書の中で、ふるさと納税の寄附金控除もあわせて申告してください。

6団体目に寄附した分だけワンストップ特例が無効になりますか?

いいえ。6団体以上に寄附した場合、超過した分だけでなく、その年に行ったワンストップ特例の申請すべてが無効になります。全額を確定申告で申告し直す必要があります。

ワンストップ特例が無効になっていたことに、確定申告の期限後に気づいたらどうすればいいですか?

期限後申告や更正の請求で対応できる場合があります。早めに所轄の税務署に相談してください。

年の途中で退職して確定申告が必要になりました。ワンストップ特例はどうなりますか?

退職により確定申告が必要になり、実際に確定申告書を提出した場合は、その年のワンストップ特例はすべて無効になります。ふるさと納税分もあわせて確定申告書に記載してください。