住宅ローン控除の制度概要と借入限度額|1年目は確定申告

住宅ローン控除の制度概要と借入限度額|1年目は確定申告のイメージ家と住宅ローン

結論(4行)

  • 住宅ローン控除は、年末のローン残高に0.7%を掛けた額を、原則13年間控除する制度。省エネ基準を満たさない中古住宅などは10年間
  • 借入限度額は、住宅の省エネ性能と、新築か中古か、子育て世帯等かどうかで変わる
  • 令和8年度税制改正で、適用期限が令和12年入居分まで5年延長された。令和8年以後に入居する中古の認定住宅等も13年・上乗せの対象になった
  • 1年目は確定申告が必要。年末調整でできるのは2年目以降

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、住宅ローンを組んでマイホームを取得した人が 使える税額控除です。財務省・国税庁の資料にもとづいて、制度の全体像を整理します。

基本の仕組み

枝の下に並んだ小さな器へ、雫が一滴ずつ落ちている。雫は右へいくほど小さくなり、器の列は途中で終わっている。しぐれとみぞれがその列を見ている

制度の基本

  • 控除額 = 年末のローン残高 × 0.7%
  • 控除期間は原則 13年間(令和8年以後の入居で、認定住宅等に当たらない既存住宅などは10年間)
  • 控除しきれない分は、翌年度の個人住民税からも控除される(課税総所得金額等の5%、最高9.75万円)

借入限度額は住宅の性能で変わる

この制度でいちばん複雑なのが、借入限度額です。 住宅の省エネ性能によって、 控除の対象になる借入額の上限が変わります。以下は令和8年から令和12年までに入居した場合の 借入限度額です。

新築住宅

住宅の種類一般子育て世帯等控除期間
認定長期優良住宅・認定低炭素住宅4,500万円5,000万円13年
ZEH水準省エネ住宅3,500万円4,500万円13年
省エネ基準適合住宅(令和8年・令和9年の入居)2,000万円3,000万円13年
省エネ基準適合住宅(令和10年以後の入居)原則対象外(下記の経過措置を除く)——
その他の住宅(省エネ基準を満たさない)原則対象外(下記の経過措置を除く)——

宅地建物取引業者が一定の増改築等をした中古住宅(買取再販住宅)のうち認定住宅等に当たるものは、 この新築の表と同じ扱いです。ただし省エネ基準適合住宅の買取再販住宅は、令和10年以後の入居でも 2,000万円(子育て世帯等は3,000万円)・13年で受けられます。

既存住宅(中古)

住宅の種類一般子育て世帯等控除期間
認定長期優良住宅・認定低炭素住宅3,500万円4,500万円13年
ZEH水準省エネ住宅3,500万円4,500万円13年
省エネ基準適合住宅2,000万円3,000万円13年
その他の住宅2,000万円—10年

令和7年までに入居した既存住宅は、認定住宅等でも借入限度額3,000万円・控除期間10年でした。 令和8年以後の入居から、既存住宅の認定住宅等も控除期間が13年になり、子育て世帯等の上乗せの 対象にも加わりました(財務省「令和8年度税制改正の大綱」、国税庁 タックスアンサーNo.1211-3)。

省エネ性能が足りない新築は、対象から外れていく

省エネ基準を満たさない新築の「その他の住宅」は、令和6年以後の入居から、原則として 控除の対象外です。令和5年12月31日までに建築確認を受けたもの、または令和6年6月30日までに 建築されたものに限り、借入限度額2,000万円・控除期間10年で受けられます。

新築の省エネ基準適合住宅も、令和10年以後の入居からは原則として対象外です。 令和9年12月31日までに建築確認を受けたもの、または令和10年6月30日までに建築されたものに 限り、経過措置として借入限度額2,000万円・控除期間10年が適用されます。

「子育て世帯等」とは、年齢40歳未満で配偶者がいる人、年齢40歳以上で40歳未満の配偶者がいる人、 または19歳未満の扶養親族がいる人です。 居住を始めた年の12月31日の状況で判定します。 該当するかどうかで、借入限度額が最大1,000万円変わります。

そのほかの要件

共通の要件

  • 床面積:50㎡以上。40㎡以上50㎡未満の住宅も対象になるが、その年の合計所得金額が

1,000万円以下の年に限る。令和8年以後に40㎡台の認定住宅等へ入居した場合は、 子育て世帯等の上乗せは使えない

  • 所得要件:合計所得金額2,000万円以下
  • 適用期限:令和12年入居分まで(令和8年度税制改正で5年延長)

令和10年以後の入居分からは、土砂災害特別警戒区域などの災害レッドゾーンにある新築が 適用対象外になります。本人や親族が5年以上住んでいた家の建替え(特定建替え)は除かれます。 災害レッドゾーンにあっても、既存住宅の取得なら対象から外れません。

1年目は確定申告が必要

住宅ローン控除を初めて受ける年(居住を開始した年)は、会社員であっても 確定申告をしなければなりません。 年末調整では受けられません。

1年目に必要な主な書類

  • 確定申告書
  • (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
  • 家屋の登記事項証明書(計算明細書に不動産番号を書けば代えられる)
  • 金融機関の年末残高等証明書と、家屋の工事請負契約書・売買契約書の写し(借入先が調書方式で、適用申請書を出していれば添付不要。注文住宅の土地の売買契約書の写しは省けない。下記)
  • 認定住宅等であることの証明書(省エネ性能の区分に応じて)

借入先の金融機関が「調書方式」に移っていて、借入れのときに「住宅ローン控除の適用申請書」を 出していれば、年末残高等証明書は発行されず、添付も要りません。国税庁は、令和6年1月以後に 住み始めた人から、対応を終えた金融機関ごとに調書方式へ移るとしています。移っていない借入先なら、 従来どおり証明書が必要です。源泉徴収票は、申告書への添付は要りません。

書類の全体と、調書方式で申告するときの手順は 住宅ローン控除1年目の確定申告|必要書類と、つまずく所 にまとめています。

2年目以降は、年末調整で住宅ローン控除を受ける方法 で解説したとおり、証明書方式または調書方式で申告できます。 勤務先に出す 「年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書兼給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」は、 1年目の確定申告の後に税務署から送られてきます。

まとめ

  • 控除額は年末残高×0.7%、控除期間は原則13年(認定住宅等に当たらない既存住宅などは10年)
  • 借入限度額は住宅の省エネ性能・新築か中古か・子育て世帯等かどうかで変わる(2,000万〜5,000万円)
  • 令和8年度税制改正で適用期限が令和12年入居分まで5年延長。令和8年以後に入居する既存の認定住宅等は13年・上乗せの対象に
  • 省エネ基準を満たさない新築は令和6年以後の入居から、省エネ基準適合住宅の新築は令和10年以後の入居から、原則対象外(経過措置あり)
  • 1年目は確定申告が必要。借入先が調書方式なら年末残高等証明書の添付は不要。年末調整でできるのは2年目以降

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よくある質問

住宅ローン控除は年末調整で受けられますか?

1年目は受けられません。1年目は確定申告が必要です。2年目以降は、給与所得者なら年末調整で受けられます。

「子育て世帯等」に該当するかどうかは、いつの時点で判定しますか?

居住を始めた年の12月31日の状況で判定します。対象は、年齢40歳未満で配偶者がいる人、年齢40歳以上で40歳未満の配偶者がいる人、または19歳未満の扶養親族がいる人です(国税庁 タックスアンサーNo.1211-1)。

中古住宅(既存住宅)でも住宅ローン控除は使えますか?

使えます。令和8年以後に入居する場合、認定住宅・ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅(認定住宅等)の既存住宅は控除期間13年で、借入限度額は3,500万円または2,000万円(子育て世帯等は4,500万円または3,000万円)です。それ以外の既存住宅は2,000万円・10年です。

「その他の住宅」とは何ですか?

認定住宅・ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅のいずれにも当たらない住宅です。新築の場合、令和6年以後の入居では原則として控除の対象外です。令和5年12月31日までに建築確認を受けたもの、または令和6年6月30日までに建築されたものに限り、借入限度額2,000万円・控除期間10年で受けられます。